気分が上下する・すごくイライラする
気分が上下する・すごくイライラする
これも精神科・心療内科での相談が多く、また様々な診断・治療が想定される訴えです。診断は、双極症やうつ病、産後・月経関連、ストレス反応性、神経発達症(ADHD・ASD)など様々にありえます。中には、ご自身を人格障害と見込んで受診する方もいらっしゃいますが、診察の結果、双極症や神経発達症と判明することもあります。診断に合った治療により困りごとが軽減することがあるため、治療の機会を逃してきた方を見かけると「もっと早く受診いただければ」と思います。
治療も原因によって様々です。漢方治療が有効なこともありますし、しっかりした抗うつ薬・抗精神病薬による治療が必要な場合もあれば、逆に精神療法がメインになることもあります。
当院を受診するほとんどの方に当てはまることですが、心身の調子が整っていない時に健康的な心の力(人格性・自我機能)を発揮することは困難です。「気分の上下・イライラ」についても本来の人格性を脳や身体のトラブルにより発揮できなくて、やむを得ず出現していることが多いです。それにも関わらず、身近な人へイライラをぶつけてしまう自分自身を責めて苦しんでいる場合がほとんどですので、なるべく早く治療を届けたいと思います。
当院は、治せる余地のある病状・疾患を見逃がさずに治療に取り組む方針です。「気分の上下・イライラ」で苦しまれているならば、まずは気楽にご相談ください。軽い病状でももちろん大丈夫です。
「気分の上下・イライラ」について、境界性パーソナリティ障害(BPD)と自己診断なさっている方を時折見かけます。確かに、BPDは感情の不安定さと自己像の混乱、人間関係のトラブルを特徴とするパーソナリティ障害で、気分の上下やイライラ、怒りの爆発がみられます。しかし、実際に診療していると、双極症や神経発達症がその背景にあり、そちらの治療により病状が安定すると人格障害的な振る舞いが軽減するのをよく見かけます。
もし本当に境界性人格障害であるならば、治療はしっかりと構造化したカウンセリングが主体になりますが、他の病気により似たような状態になっているのであれば当院で治療可能です。お悩みであればひとまずご相談ください。まずはきちんとした診断アセスメントを行います。